第3部 くみたてる 3.1
4つの役割=色・香り・味・辛味
4スパイスを全部小さじ1で。それでも本格的になるのは、色・香り・味・辛味の「役割」が分かれているから。配合を自分で設計する第一歩。

スパイスからカレーを作るとき、最初の壁は「何を、どれだけ入れるか」です。アナンが10年近くいちばん見られているレシピ「世界一簡単なスパイスカレー」では、たった4種類のスパイスを、全部小さじ1で使います。それでちゃんと本格的なカレーになる。なぜか——答えは、4つのスパイスがそれぞれ違う「役割」を持っているからです。
4つの基本スパイス
- クミンシード(種のスパイス)
- ターメリック(パウダー)
- コリアンダー(パウダー)
- レッドペッパー(パウダー。チリパウダー/カイエンペッパーとも呼ばれます)
これに塩を加え、すべて小さじ1。分量を全部そろえてしまうのが「世界一簡単」のしくみです。
それぞれの役割 — 色・香り・味・辛味
スパイスを「味付け」だと思うと、種類の多さに迷います。でも一つずつ役割を覚えると、ぐっと使いやすくなります。
- ターメリック=色。 香りは少し土っぽく、苦味があります。役割を一つだけ覚えるなら「色」。これが入ることで、カレー独特の色が生まれます。
- コリアンダー=香り。 爽やかさが身上。この爽やかさがカレーの香りを大きく支えます。
- レッドペッパー=辛味。 辛さはこれでコントロール。辛いのが苦手なら小さじ1/2に、好きなら小さじ2に。
- クミン=味。 いちばん面白いのがこれ。
「ターメリックは色、コリアンダーが香り、レッドペッパーが辛味。じゃあクミンは? クミンだけでじゃがいもを炒めて食べてもらうと、多くの人は”クミン味”とは言いません。”カレー味ですね”と言うんです。クミンは味ではないけれど、味になる。」 — メタ・バラッツ
色・香り・味・辛味。この4つがそろえば、カレーはもうほとんどできています。
塩がないと、まだ「香り」のまま
ここで大事な原則がひとつ。スパイスは「香り」であって「味」ではないということ。スパイスだけを入れても料理は味になりません。そこで登場するのが塩です。塩を入れて初めて、香りが「味」に変わる。だからアナンのレシピでは、パウダースパイスと塩をセットで入れるタイミングを大切にしています。
並べる順番=「土台・中心・仕上げ」の線
同じスパイスでも、入れる順番で香りの立ち方が変わります。アナンでは、スパイスを入れる順番を一本の「線」で考えます。
- 土台=ホールスパイス。 油でクミンシードを熱し、シュワシュワと香りが立つまで待つ。
- 中心=パウダースパイス+塩。 ターメリック・コリアンダー・レッドペッパー。ここがカレーの味の中心。
- 仕上げ=もう香りが立っているもの。 パクチーやガラムマサラなど。
原則は、香りが立ちにくいものを先に、すでに立っているものを後に。そして「香りが立ったら次へ」。マスタードシードならパチパチ、クミンシードならシュワシュワ——その合図を待ってから次の材料へ進みます。
(炒める順番とタイミングは → スパイスの炒め方と入れる順番 で詳しく)
「ベース(マサラ)」ができれば、何でも作れる
玉ねぎ・にんにく・生姜・トマトを炒め、そこにパウダースパイスと塩を合わせて炒めた濃いベース——これをマサラと呼びます。ルーのように味が凝縮した、このベースさえできれば応用は無限です。
- 水のかわりにほうれん草ペーストで伸ばせば → サグ(ほうれん草)カレー
- 水のかわりにココナッツミルク+白身魚(タラ)→ フィッシュカレー
- 具をひき肉にすれば → キーマカレー
「土台・中心・仕上げ」の線を守りながら、途中で入れるものを変えるだけ。これがスパイス料理の楽しさです。
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まとめ
- カレーの4スパイスは ターメリック=色/コリアンダー=香り/レッドペッパー=辛味/クミン=味。
- スパイスは香り。塩が香りを「味」に変える。
- 入れる順番は 土台(ホール)→中心(パウダー+塩)→仕上げ(香りが立ったもの)。
- パウダー+塩まで炒めたベース(マサラ)ができれば、具と伸ばすものを変えて何でも作れる。
この記事で作れるレシピ
- 関連レシピ:世界一簡単なスパイスカレー(→ 既存レシピへリンク)
4つのスパイスを揃える
- クミンシード/ターメリック/コリアンダー/レッドペッパー(→ 各商品ページ)
- まとめて揃うなら → スタータースパイスセット(→ 商品セットへ)
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