『鎌倉のケーキ屋さん、スパイスを学ぶ。第3話』 – POMPON CAKES × メタ・バラッツ(3/4)

5ab5918259e74b843cd44fd3fb1d8a39

鎌倉のケーキ屋さんとスパイス商が、お菓子づくりとスパイスの新しい関係を探る企画が始まります。

きっかけはPOMPON CAKESの立道嶺央さんが、雑貨と食品を扱う姉妹店をリニューアルした時のこと。
お店で販売するスパイスについて立道さんがスパイス商のメタ・バラッツさんに相談しました。

「もっとスパイスって日常的に使ってもいいよね」とか、
「興味はあるけど、いざ使うとなると難しいんだよね」とか。

もともと立道さんもスタッフの皆さんも、カレーやスパイスが好き。
バラッツさんにもっとスパイスの事や、インドのスイーツまで教えてもらったらいい学びになるのでは!と考え、この企画が生まれました。

null 190
POMPON CAKES BLVD 立道嶺央さん

第1回はこちら

第2回はこちら

「ラドゥ」を食べた立道さん。
今回はそれをもとにオリジナルケーキのレシピを考えます。

[toc]


第3話  スパイスとスイーツのレシピを考える

POMPON CAKESのケーキについて

null 191

立道:
僕は母親から教えてもらって我流でケーキを作ってきました。
なのでスパイスの歴史とか家庭料理とか伝統的なところに学べる事は一杯あるんだな、と思いました。

null 192

お店のコンセプトも”Traditionally new”
伝統的なものを新しい形で出す、っていうのにしていて。
母が作ってきた昔ながらのケーキを今のスタイルで出す。

だからラドゥのストーリー、バラッツのおばあちゃんの味ってストーリーはいいなあと思いました。

キラキラした宝物みたいなケーキはPOMPONCAKESでは作れないけれど、こういうかたちのケーキ屋もあっていいのかなと。

null 193

新しいレシピの考え方

立道:
最近はフェスへの出店もあったので毎日じゃないですけど、頭の中でずーっとレシピは考えていました。

試作もかなりしましたよ。
直前だけど昨日もスタッフで集まって、とにかく色々なラドゥを作りました。

例えばココナッツやカカオを入れてみたりですね。
でもこれだとラドゥから抜け出せず、全部なんとか味のラドゥになっちゃいました。これはインドでも既にあるかもしれないなと。

またラドゥを焼いてみたりもしました。そうしたらカラカラになって、ぼそぼそになりました。(笑)

null 194

他にもひよこ豆の粉もきな粉に変えてみたり。
そしたらきな粉棒みたいになっちゃってダメでした。(笑)
ひよこ豆を大豆に変えただけなので行けるかなと思ったんですけど、やっぱり全然違うんですよね。

あとはもっと濃厚にしようと思ってタルトも作ってみました。
そうしたら口の中が重くて、日本人の感覚だとToo Muchだなと。

null 195

立道:
とこんな感じで色々やってみたんですよね。

僕は出来るだけシンプルなお菓子作りをしようと思っています。
ラドゥにコーティングするとか、何かにつけるのは違うかなと。別のものを合わせるのがいいのか悩みました。

そんな時にインド料理屋に行ってみたんです。
そこで飲んだラッシーの爽やか感!あれはハッピーですよね。
口の中がグッと爽やかになる感じです。

null 196

そこでチーズケーキを思い出しました。

チーズケーキは上のチーズと下の土台のクッキーが結構極端な組み合わせなんです。
それが口の中で合わさって、しっかりした感じがありつつも爽やかな感じがある。
ラドゥもチーズとかつけて食べてみたらおいしかったんですよね。

ただこのままだと2つが離れている感じが気になる。もう少し上と下の繋がりとか共通言語が必要だなと。

null 197

そうして少し調べてみたら、インドでもヨーグルトをよく使うみたいなんですよね。
バラッツさんもヨーグルトにサフラン入れたりもするって言ってたし、これは良いと思って。

それでラドゥの上にヨーグルトをのせる事を思いつきました。

僕ヨーグルト好きなんですよね。
ただヨーグルトのお菓子ってなんか安っぽい味になる。
でもスパイスと組み合わせるとヨーグルトも高級感が出るんですよ。

null 198

前回のラドゥがバラッツのおばあちゃんの味というストーリー、良いなって思ってました。

今回考えたレシピも小さいころに母が作ってくれたヨーグルトケーキのレシピがベースになっているんです。

ラドゥも今回のケーキも母親の味というのが共通点ですね。

null 199

次回予告

オリジナルケーキを作ってくれた立道さん、はたしてどんなケーキなのでしょう?

最終回は立道さんがそのケーキをバラッツさんのお宅に持っていき、一緒に食べてもらいます。